宿屋に残されたガッツらは、セルピコの木で鼻をくくったような対応に釈然としないものを感じて、二人の状況の変化をあれこれと推測する。が、 結局は推測の域を出るものではなく、イバレラ&パックによる偵察作戦が敢行される。 広大なヴァンディミオン邸に侵入した二人がそこで見出したのは、ファルネーゼだけではなく彼女の許嫁者の姿であった。 マニフィコ兄の大学時代からの友人で、イースの王族第三位継承者にしてイース海軍の艦長というその若者とファルネーゼとの会話を確認した二人は、 急ぎ宿屋に帰還する。
二人の話を聞いたイシドロは激しく憤慨するが、一人ガッツは冷静に状況を分析し、それが政略結婚であることを見抜く。 「あいつが自分で決めたことだ……と言いたいところだが」今までとは異なり、ファルネーゼを突き放すことに躊躇を見せるガッツ。 そこにセルピコがもたらした書状で遊んでいたキャスカが、誤って焚き木の中に落として焼失させてしまう。 それを見たガッツは遂にある決断を下すのだった。
最近、映画レビューも書かんとベルセルクレビューが続いておりますが!
来月あたりから映画の方も色々と再開する所存でございます。
えー、その、メルマガの方もあのその……頑張ります。
で、今回のベルセルクは「起承転結」で言うところの「承」に当たる部分ですな。いよいよ話を構成する主要ピースが出そろって、
物語が動き始めるといった風情。
結局のところ、「ベルセルク」という物語は、「囚われた意識からの解放」の物語なのかもしれません。
今回は「救出」という形でもの凄くあからさまなんですけど。(となると、どういう形になるにせよ最終的に物語は
「ガッツの復讐という妄執からの解放」へと進むのかしらん)
思い返すと、黒の剣士時代からこっち、様々なサブキャラクターが物語を彩ってきましたが、その誰もがガッツとの邂逅を通じて何らかの形で「解放」
を得ているのがわかります。
今回のファルネーゼには柵となっているものがたくさんあるすぎるのですが、政略結婚から救うという形で、彼女の柵の核心である「貴族という家柄」
をズバリ射抜いてますね。
まぁ、ここら辺のことはこれまで読み続けているファンなら言わずもがなのことではあるんですが、
単体のエピソードの中に枠組みをきちんと構築している点は、相変わらずお見事ですな。しかも、
もしかしたら今回のファルネーゼ救出のエピソードは、
以前のグリフィスによるシャルロット救出のエピソードとの対比を意図しているのかもしれませんし。
話の展開自体はそれほど新奇ではないけれど、ヴァンディミオン邸に侵入、そしてファルネーゼの奪取と今後の見どころを予感させるに十分。ただ……
何と言うか話が普通すぎて逆に恐いですな。以前だったら、マニフィコが実は使徒で――とか、何か人外の者が入り込む余地があったんですが、
今回はそんなこともなく至って普通にヒロイックファンタジーしてるし。しかもパーティには魔女がいるんで侵入それ自体は造作も無さそうだし。
うーむ、もしかして意外なところでガッツVSセルピコの再戦が拝めちゃったりするのかな(さり気なく言及してたし)。
とにかく侵入後の展開が楽しみです。
それと忘れちゃいけないのが、ファルネーゼの許嫁者ロデリックが『イース海軍の艦長』(提督じゃないのが微妙にポイントか?!
)であることでしょう。今後、一行がヴリタニス港から出立する際にも、
敵になるか味方になるかはまだ解りませんけど何かと絡んでくるんでしょうなあ。しかし、この兄ちゃん、
なかなか豪放磊落なキャラでイイ感じですな。なんとなくガッツと馬が合いそうだし。今後目が離せないキャラになっていく予感がしますぜ。
この記事は気に入っていただけましたか?
よければ 人気blogランキング クリックをお願いします!
ととても励みになりますので是非!