2005年07月03日

ベルセルク第258話『帰巣』

 新生鷹の団・野営地――そこは戦場にして戦場にあらざる別天地だった。

 グリフィスによって救出されたシャルロットはアンナの手を借りてお菓子を拵えていた。陣中見舞いをするという口実で、 グリフィスに会いたい一心からのことだ。何度目かの挑戦の末、上手く焼き上げることが出来た菓子を手に、 シャルロットはグリフィスの元を訪れる。しかし、グリフィスの余りにも神々しい姿になかなか近づくことが出来ない。

 そんなシャルロットとは対照的に、港から帰ったソーニャはグリフィスに飛びついて会えた悦びを全身で表現するのだった。 ソーニャと彼女を無事に連れ戻したミュールに、グリフィスは優しい言葉をかける。その時、グリフィスがシャルロットの存在に気づき、 シャルロットは漸くグリフィスに持参した菓子を差し出す機会を得る。……が、シャルロットの心を読み取ったのか、 ソーニャが当てつけるようにその菓子を奪い取り、手ずからグリフィスに食べさせてしまう。

 「良い香りだ。甘くて何やら口元が緩みます」グリフィスの褒め言葉に思わず頬を染めるシャルロット。 二人の間に流れる空気を察したミュールは、気を利かせてソーニャを連れてその場から離れていく。 「何年も敵の中でただ一人きりでどれほどの孤独と不安に苛まれておられたか……それがやっと想い人との再会が叶ったのだから」 そう言ってミュールは二人の間を邪魔しようとするソーニャを責めるのだった。面白くないソーニャは、 憮然とした表情で一人何処かへ去っていく。

 その夜、ソーニャは森で一人佇むアーヴァインの姿を見つけ、彼の焚き火に身を寄せる。 彼の奏でる楽の音に感じるものがあったソーニャは訊ねる。「あなたはいつも独りね。寂しくないの?」 それにアーヴァインはこともなげに答える。「自分は猟人だ。一人の方が落ち着く」と。しかし、 獲物を追って深い森の中に一人潜み続ける猟人は「いつしか自分も一匹の獣になっている」のだとも。

 それを聞いたソーニャは「自分も独りだった」と呟く。人には見えないものが見え、人には聞こえない声が聞こえるソーニャは、 ずっと人とは違う世界に閉じ込められていたのだ。「……孤独と不安だったのはあの人だけじゃないんだから」そう言うと、 ソーニャは深い眠りへと落ちていくのだった――。

 


 

今回も一週間遅れの更新となってしまいますた(汗)。

えー、今回の話はシールケ達と別れた後、
グリフィスの所に戻ったソーニャのお話……なんですが。
正直、今の流れを切ってまで挿入するようなもんではないよなあ。
というのが率直の感想だったり。

『巫女』であるソーニャが他人と違う世界で生きてきたことや、
孤独で不安だったという話は、シールケとの対話で既に描かれているんで、
ソーニャとグリフィスファン向けのサービスエピソードかなあ、なんて思ったり。

でも、幾つか分かったこともありますね。
まず、ガッツ達が舞踏会場に踏み込む前日の段階で、
グリフィスは何やら準備に相当忙しいというシャルロットの証言が一つ。
これは攻めてくるクシャーンに対して
何らかの対策を施しているものと思われます。
ここでクシャーンを退けてヴァンディミオン家当主に
新・鷹の団のスポンサーになって貰おうとかそんな感じでしょうか。
(あ、こんなんばっかや)
ということは、近い内にガッツとグリフィスがニアミス!
なんつうこともありえないことではないかも……って流石にそれはない罠。
でも、グリフィスと思いがけず遭遇したガッツが、
意に反して狂戦士化して……なんて展開になったら
かなり燃えるよなー。(や、妄想です)

次、もう一つ判明したのが、アーヴァインって喋れたんだっ(笑)!
なんか普通のお兄さんみたくソーニャに接してますが、
あの帽子で楽器を爪弾かれちゃうと、どうしてもスナフキンを(ry
それはともかく、「いつしか自分も一匹の獣になる」という台詞、
これは中島敦の「山月記」を髣髴させるものがありますね。
使徒となったということは、人よりも「過剰な何か」をもっていたということですし。
更に中島敦には弓道の名人になろうとした男の話を描いた
「名人伝」という作品もありますんで、
魔射手?のアーヴァインにはピッタリな感じ。
(とか思ったんすけど、やっぱり無理があるかなぁ)

ちなみに、このアーヴァインの「獣」の話は、
クリフォト内のシールケが魔道の極意として回想したフローラの言葉、
「あなたが闇を覗いている時、闇もあなたを覗いている」に通じるモノがありますよね。
勿論このフローラの言葉はニーチェの言葉を踏まえているのですが、
該当部分の前に「怪物」に対する注意があります。

怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。

このニーチェの言葉は、今回のアーヴァインの台詞に何気に符丁しますね。
つまり、闇に落ちた者が使徒であり、闇を御す者が魔術師である。
そんな感じで、根源的な部分は同じなのでしょう。
興味深いのは、作品世界ではその価値が転倒していることですよね。
魔の軍勢を率いるグリフィスが英雄(神聖)視され、
魔術をなすシールケを同伴するガッツらは邪な存在と忌み嫌われているという……。
この転倒が物語のダイナミズムを生み出しているんですけどね。

ま、なんにしても早く続きを読ませてクレー。

posted by 仙道勇人 at 23:29 | Comment(0) | TrackBack(2) | ベルセルク
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